FFTrans Freeをリリース

Apple Silicon専用AI話者分離・文字起こしアプリ「FFTrans」の非商用利用向け無料バージョン「FFTrans Free」をリリースしました。

FFTrans Free : 無料 (非商用利用限定)

  • 完全無料
  • 長時間音声の場合、最初の1時間までの文字起こしが可能(回数制限なし)
  • 話者を自動識別、次回の自動認識に対応
  • 30以上の言語に対応
  • 独自の言語識別機能で言語の誤検出を大幅に低減
  • 完全オフライン処理


FFTrans FreeとProの違い

  • 商用利用:
    Free: 個人および非商用利用のみ可能PRO: 利用条件なし)
  • 文字起こしモデル:
    Free: medium-v3(PRO: large-v3搭載)
  • オフライン英語翻訳:
    Free: 利用不可(PRO: 利用可)
  • 最大文字起こし時間:
    Free: 1回あたり60分まで(PRO: 実質無制限)
  • BERTによる日本語句読点補完:
    Free: なし(PRO: あり)
  • 日本語カスタム辞書:
    Free: なし(PRO: あり)
  • ライセンス字幕:
    Free: 字幕の最後に3秒間ライセンス表示(PRO: なし)

体験版から期限を削除し、1ファイルあたりの文字起こし時間上限を60分に拡大した形です。
mediumモデル採用と句読点補完、カスタム辞書がないことで、性能差が大きくなり過ぎて「体験版」として使っていただいてもFFTrans Proの評価にならないだろうというのも理由のひとつです。
その代わり、非商用利用のみとはいえ、オフラインで大きな制限もなく使えるというのは正直、大盤振る舞いなところもあります。

ちなみに、FFTrans Pro vs Freeで、文字起こし精度の違いを字幕で検証してみました。
使用した音声素材はドラマの出演者インタビュー映像で、掛け合いが多く、固有名詞(人名・役名・企業名)が頻出するものです。

まずは無料版のFFTrans Freeの結果(抜粋)です。

• 「川栄李奈」→「川江里奈」「川江さん」など複数の誤認
• 「座長」→「座帳」「雑教」
• 「再就職」→「最終職」
• 「RAINBOW LAB」→「レインボーラブ」
• 話者の入れ替わりや混在が複数箇所で発生
• 一部セリフが文脈的に破綻(例:「監督の気になってます」)

音声全体を評価しての、大まかな精度はこんな感じです。

• WER(単語誤り率):約 12〜15%
• CER(文字誤り率):約 6〜8%

次にFFTrans Proの結果(抜粋)です。

• 「川栄李奈」などの人名はすべて正確に認識
• 「座長」「再就職」「RAINBOW LAB」などの専門語もカスタム辞書とモデルの性能差で正確に
• 話者分離が自然で、掛け合いの流れが崩れない
• 文脈補正は控えめで、編集しやすい構造
• 誤認は短すぎる固有名詞(はる等)のみ

精度はこんな感じです。

• WER:約 4〜5%
• CER:約 2〜3%

対象の音声が固有名詞が多めでやや難易度が高いものではありますが、比較表にしてみるとこんな具合になります。

FFTrans Freeには無料という大きなメリットもありますし、「参考用」としては十分ですが、実務で使うには手修正が不可欠です。
特に人名や役名の誤認、話者の混在は手修正の手間が非常に大きくなってしまいます。

一方のFFTrans Proは、文字起こし後もカスタム辞書の追加・編集を文字起こし結果に反映させることができます。
辞書を追加したからといって文字起こしからやり直す必要は一切ありません。
この「一度で終わる文字起こし」が圧倒的な作業効率と精度の差につながります。
これは単なる精度の話ではなく、「信頼できるツールかどうか」という根本的な違いでもあります。

無料版との比較で見えてくるのは、単なる価格差ではなく、設計思想の差です。
FFTrans Freeはオフライン文字起こしを無料で、という大きな価値がありますが、決してそれをFFTrans Proの「評価」とはしないでください。
“fast & faithful”──その言葉通りの体験が、FFTrans Proにはあります。

なお、FFTrans Freeは、個人利用および非商用利用のみを目的として提供されています。
商用利用は固く禁止されています。
万が一、フリー版を商用利用されたことが判明した場合、損害賠償請求を含む法的手段を取る場合がありますのでご注意ください。

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